病院・薬局・介護施設の基本データをCSVで一括取得

医療機関データで診療科目別のDMリストを作る方法|DM・印刷会社の営業担当向け

この記事のペルソナ:DM・印刷会社の営業担当(顧客への提案材料として)

厚生労働省の医療施設動態調査(2026年7月末概数)によると、全国の一般診療所は105,702施設、病院は7,942施設、歯科診療所は64,975施設です。合計は178,619施設にのぼります。

日本郵便の定形郵便物(50g以内)の料金は110円です。一般診療所の全数に送るだけで、郵送料は約1,163万円になります。印刷代、封入・封かん代、リスト費用はまだ含まれていません。

医療向けDMの見積が顧客の社内で止まるとき、原因は1通あたりの単価より、「送らなくてよい宛先が混ざっていること」にある場合が少なくありません。この記事では、診療科目・在宅対応・病床の有無といった条件で宛先を絞り込み、DMの件数、つまりコストを適正に抑える方法を、提案を担当される営業の立場から整理します。

名称と住所だけのリストでは、診療科目も在宅対応の有無も分かりません。「全国」「〇〇県全域」といった範囲での見積になり、顧客の予算に収まらないまま話が終わります。

診療時間や休診日が分からないと、DMの到着日やFAXの送信曜日・時間帯を設計できません。「とりあえず平日に送る」では、顧客に説明できる提案になりません。

顧客が変わるたびに公開情報から宛先を集めて整形し直していては、提案までのスピードも利益率も落ちます。

当サイトの無料データは調剤薬局データ(基本版)で、収録項目は薬局名・郵便番号・住所のみです。医療機関は含まれず、診療科目も分かりません。都道府県と市区町村(複数選択可)を指定してCSVを取得でき、システム上の上限があるため1回のダウンロードは最大3,000件です。

それでも、提案の初期段階で使える場面が2つあります。

  • 市区町村ごとの薬局数を比べ、試験送付のエリア候補を絞る。薬局は診療所の近くに開設されることが多いため、医療機関が集まる地域の目安にはなりますが、あくまで目安にとどまります。
  • 住所データを宛名ラベルや印字データに流し込み、文字化けや環境依存文字(「髙」「﨑」など)の表示崩れを事前に確認する。印刷側の工程確認として、本番データを入れる前の予行演習になります。

医療機関データ(有料)には、診療科目、病床数、訪問診療の有無、診療時間、休診日、設備、専門医数、在宅医療対応、電話番号、FAX番号、URL、緯度経度などが含まれます。顧客の商材から逆算して、次のように条件を組み立てます。

顧客の狙い(例)絞り込み条件の組み立て見積での考え方
在宅医療に関連する商材在宅医療対応・訪問診療の有無 × 対象エリア訪問診療を行う施設に限定し、全数より大きく圧縮
特定の診療科向けの商材診療科目 × 専門医数・設備 × 対象エリア該当する診療科目の施設のみを宛先にする
入院機能を持つ施設向けの商材病床数 × 対象エリア病床を持つ施設に限定して件数を確定

件数を絞る効果は、公表されている数字からも確認できます。一般診療所105,702施設のうち、有床は4,998施設、無床は100,704施設です(医療施設動態調査、2026年7月末概数)。病床の有無だけで見ても、郵送料の目安は次のように変わります。

送付範囲施設数郵送料の目安(定形110円)
一般診療所の全数105,702施設約1,163万円
うち有床診療所4,998施設約55万円
うち無床診療所100,704施設約1,108万円

郵送料のみの目安です(施設数×110円)。印刷費・封入費・リスト費用は含みません。大量発送には割引が適用される場合があるため、実際の料金は日本郵便の最新情報をご確認ください。この表は絞り込みの効果を示すための試算であり、実際の宛先件数は選ぶ条件によって変わります。

医療機関だけで完結しない商材では、調剤薬局データ・介護施設データと組み合わせる提案も考えられます。顧客の商材に合わせた組み合わせの例です。

顧客の商材タイプ組み合わせ例提案のねらい
在宅医療・在宅ケア関連医療機関データ(訪問診療・在宅医療対応)+介護施設データ(訪問看護ステーション等)在宅の連携先を、エリア単位でまとめて訴求する
医薬品・健康関連医療機関データ(診療科目)+調剤薬局詳細データ診療科目別の医療機関と、近隣の薬局に同時に案内する
医療・介護の連携支援医療機関データ(病床・在宅対応)+介護施設データ(協力医療機関の有無等)施設間の連携ニーズがある宛先を重ねて抽出する

小さく試して拡大する進め方は、見積の出し方にも使えます。1案だけ出すと「高い」か「安い」かで判断されますが、3案並べると顧客が選ぶ立場になり、話が前に進みやすくなります。

  • 全数案:対象エリアの該当施設すべて。市場の大きさを示す基準として出す。
  • 絞り込み案:診療科目・在宅対応・病床の有無などで条件を絞った本命案。
  • 小ロットテスト案:1エリア×1条件で数百件程度。反応を見てから本番に広げる。
よくある失敗原因回避策
全数前提の見積が通らない診療科目や在宅対応で絞るデータがなく、地域単位の提案しかできない条件別に件数を出し、全数案・絞り込み案・小ロット案の3案で提示する
顧客の商材と診療科目が噛み合わない診療科目を思い込みで決め、商材との相性を検証していない顧客の商材から逆算して条件を決め、専門医数や設備の項目でも裏付ける
宛先の不備でDMが戻る・届かないデータの取得時期の確認不足、住所の文字化けや環境依存文字本番前に小ロットで試験送付し、取得時期と文字表示を事前に確認する
媒体ごとの反応が比べられない封書とFAXを同じ条件で試していないFAX番号の項目を使い、小ロットで媒体別に試してから配分を決める

診療科目、病床数、訪問診療の有無、診療時間、休診日、設備、専門医数、在宅医療対応、電話番号、FAX番号、URL、緯度経度などを収録した、弊社の販売データです。当サイトの検索画面で調べられるものではなく、ご希望の条件をお問い合わせいただいてのご提供となります。 介護施設データ、調剤薬局詳細データとあわせて、前述の3データのクロス活用もご検討いただけます。

リスト作成から封入・発送、FAX送信、オプトアウト対応まで一括でお任せいただけるサービスです。自社では対応しにくい媒体や、急ぎの小ロット案件の選択肢としてご活用ください。

医療向けDMの見積は、1通あたりの単価を下げるだけでなく、宛先の件数を適正にすることで大きく変わります。一般診療所の全数に送れば郵送料だけで約1,163万円ですが、病床の有無という条件ひとつで、その規模は大きく変わります。

まずは、無料の調剤薬局データで試験エリアを決め、1エリア×1条件の小ロットで医療機関データによる絞り込みを試してください。反応と費用対効果を確認してから、条件とエリアを広げる二段階の進め方が、顧客にも説明しやすい現実的な提案です。

厚生労働省「医療施設動態調査(令和8(2026)年7月末概数)」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m26/is2607.html

日本郵便「第一種郵便物 手紙・封書(定形郵便物・定形外郵便物の料金)」

https://www.post.japanpost.jp/

※本記事の郵送料の試算は、上記の公表数値(施設数・料金)を用いた説明用の計算です。