病院・薬局・介護施設の基本データをCSVで一括取得

薬局データのCSVでよくある3つのつまずきと対処法

|MRのための実務FAQガイド【テクニカルFAQ】

MR(医薬情報担当者)が担当エリアの薬局を回る際、事前に訪問先リストを整理したり、情報提供資材の送付先を選定したりする場面で、調剤薬局データのCSVを扱う機会が増えています。

厚生局が公開する無料の薬局データ(薬局名・郵便番号・住所のみ)は誰でも入手できますが、実際にExcelで開いて加工しようとすると、「同名の薬局が複数あって特定できない」「文字化けする」「件数が多すぎて取得しきれない」といった技術的なつまずきに直面するケースが少なくありません。

本記事では、MRの実務でよく相談を受ける3つのつまずきと、その対処法を解説します。あわせて、無料データだけでは解決しづらい部分をどう補うかについても整理します。

Q. チェーン薬局は同じ店名の店舗が近隣に複数あることが多く、住所表記の書き方(丁目・番地の省略など)が微妙に違うだけで、どの店舗を訪問すべきか分からなくなります。特定する方法はありますか。
A.
無料の薬局データは薬局名・郵便番号・住所のみの収録のため、この3項目だけで一意に店舗を特定するのは、正直なところ限界があります。 確実に特定したい場合は、指定年月日や登録区分(新規・承継・移転など)、電話番号が付与された「新規指定医療機関・薬局データ」を照合キーとして使うのが実務的です。指定年月日と住所を突き合わせることで、同名店舗の開設時期の違いを識別できます。 なお「新規指定」という表記は、医療機関番号が新規に振られた施設を指すものであり、承継や移転による指定替えも含まれます。すべてが新規開業を意味するわけではない点は、営業判断の前提として押さえておく必要があります。 訪問前の電話確認まで含めて精度を上げたい場合は、電話番号・FAX番号・営業時間まで収録した調剤薬局詳細データを使うと、架電での取り違えも減らせます。
Q. 厚生局からダウンロードしたCSVをExcelでそのまま開くと、住所欄の漢字が文字化けしたり、住所内のカンマのせいで列がずれたりします。どう対処すればよいですか。
A.
文字化けの多くは文字コードの不一致が原因です。Excelで直接ダブルクリックせず、「データ」タブ→「テキストまたはCSVから」を選び、インポート時に文字コード(UTF-8またはShift-JIS)を明示的に指定すると解消するケースがほとんどです。 列のずれは、住所や施設名の中に読点・カンマが含まれている場合に起こりやすい現象です。テキストエディタで一度開いて区切り文字を確認し、必要であれば区切り文字をタブに変換してから読み込むと安定します。 毎月同じ加工作業が発生する場合は、インポート手順をテンプレート化しておくと、担当者が変わっても再現性が保てます。
Q. 自分の担当エリアが複数市区町村にまたがっているため、まとめて検索・ダウンロードしたいのですが、件数が多いと途中で切れてしまう気がします。どう扱えばよいですか。
A.
無料の薬局データは検索条件を都道府県+市区町村で指定できますが、システム上の理由で件数指定はできません。担当エリアが広い場合は、市区町村単位で検索・ダウンロードを分割し、後からExcel側で結合する運用が現実的です。 結合時は、薬局名・郵便番号・住所の組み合わせで重複行が発生しやすいため、重複排除(Excelの「重複の削除」機能など)を必ず行ってください。 エリアが広域にわたり、かつ毎月の更新差分だけを効率的に追いたい場合は、詳細データや新規指定医療機関・薬局データのような、まとまった形で提供されるデータの利用も選択肢になります。
つまずき原因対処法
同名薬局の取り違え無料データは住所・郵便番号・薬局名のみで、一意の識別子がない指定年月日・電話番号など追加項目のあるデータで照合する
文字化け・列ずれ文字コードの不一致、住所内のカンマによる区切り崩れインポート機能で文字コードを指定、区切り文字を事前確認する
全件取得できないシステム上、件数指定ができず大量データの一括取得に不向き市区町村単位で分割取得し、重複を排除して結合する
実務Tips
無料データには電話番号が含まれないため、訪問前に在庫確認や在席確認の電話を入れたくても、番号を別途調べる手間が発生します。 調剤薬局詳細データ(ナヴィ由来)には電話番号・FAX番号・営業時間・認定薬剤師数・延べ患者数などが収録されており、架電と訪問計画を同時に精度化できます。 処方元の医療機関側の在宅対応状況とあわせて把握したい場合は、医療機関データとの組み合わせも有効です。地域の在宅医療ネットワークを面で捉えることができます。

薬局データのCSV加工でつまずくポイントの多くは、「無料データの収録項目がそもそも限られている」ことに起因します。住所・郵便番号・薬局名だけで完璧に運用しようとせず、識別や連絡に必要な項目は有料データで補う、という前提に立つと、無理のない運用がしやすくなります。 まずは無料データで自分の担当エリアの薬局数や分布感をつかみ、そのうえで特定・架電の精度を上げたい範囲だけ有料データに切り替える、という二段階のアプローチをおすすめします。

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