病院・薬局・介護施設の基本データをCSVで一括取得

医療機関データとは?診療科目・病床数など収録項目を解説

この記事のペルソナ:医療機器メーカーの地域営業担当

結論:医療機関データとは
医療機関データとは、全国の病院・診療所などについて、診療科目・病床数・訪問診療の有無・診療時間・設備・専門医数などを施設単位で構造化し、営業やマーケティングに使える形にまとめたデータベースの総称です。
医療法に基づく「医療機能情報提供制度」により、病院等は都道府県への報告が義務付けられており、その報告内容は2024年4月から全国統一システム「医療情報ネット(ナビイ)」で公開されています。こうした公的な情報公開の仕組みを土台にしつつ、横断的に検索・抽出できる形へ整理し直したものが、実務上「医療機関データ」と呼ばれています。

地域営業担当としてまず押さえておきたいのは、「医療機関データ」という言葉自体に業界統一の定義があるわけではなく、提供元によって収録項目・更新頻度・取得できる形式が異なるという点です。この記事では弊社が提供する医療機関データを例に、収録項目・取得方法・活用シーンと、誤解されやすいポイントを整理します。

分類主な収録項目
基本情報医療機関名、住所、電話番号、FAX番号、URL、緯度経度
診療体制診療科目、診療時間、休診日、病床数、専門医数
機能・対応訪問診療の有無、在宅医療対応、設備

※個人名(院長名・スタッフ個人名など)は収録されていません。あくまで施設という「組織」の属性情報を対象としたデータです。

厚生労働省が運営する「医療情報ネット(ナビイ)」では、全国の病院・診療所・歯科診療所・助産所について、診療科目・診療時間・対応可能な疾患治療内容などを施設ごとに無料で検索・閲覧できます。法令に基づき都道府県へ毎年度報告される情報がベースになっており、個別の事実確認であれば十分に対応できます。

ただし、地域営業の実務でこの仕組みをそのまま営業リストとして使おうとすると、次のような壁にぶつかります。

・施設を1件ずつ検索・閲覧する設計のため、エリア内の対象施設を横断的に一括抽出する用途には向いていない

・報告された情報をそのまま掲載する仕組みのため、施設によって最新の報告内容が反映されていない場合がある

・診療科目や設備など、営業ターゲティングに必要な条件を組み合わせた絞り込みがしづらい

有料データの位置づけ
弊社が提供する医療機関データは、こうした公的な情報公開の仕組みを土台にしつつ、診療科目・病床数・訪問診療の有無などを横断的に検索・抽出できる形に整理したものです。
エリアや診療科目、病床規模などの条件で絞り込み、CSV・Excel形式で一括取得できるため、公的システムを1件ずつ確認する手間を省き、営業リストとしてそのまま使える点が価値になります。

大型病院向けの設備投資型製品と、診療所向けの小型機器とでは営業アプローチが異なります。病床数で対象施設を絞り込み、製品カテゴリーに合った営業リストを作成する場面で使われます。まずは主力製品が刺さりやすい病床規模帯に絞って抽出し、精度を確認するのが現実的な進め方です。

在宅医療向けのポータブル機器や関連製品を展開する場合、訪問診療の有無で対象施設を絞り込むことで、ニーズが顕在化している施設に絞ったアプローチが可能になります。エリアを絞って小さく試し、反応を見ながら対象を広げるのが現実的です。

在宅医療の連携ネットワークを把握したい場合、訪問診療を行う医療機関(医療機関データ)、訪問看護ステーションを含む介護施設(介護施設データ)、近隣の調剤薬局(調剤薬局データ)を組み合わせることで、エリア内の連携構造を面で把握しやすくなります。3つのデータを単独で使うより、組み合わせたほうがターゲティングの精度が上がる点は、地域営業担当にとって特に有効です。

よくある誤解と実際

誤解①「医療情報ネットで無料で同じことができるはず」→ 実際は施設を1件ずつ検索・閲覧する形が基本で、エリア内の施設を横断的に抽出・比較する用途には向いていません。

誤解②「病床数がそのまま稼働病床数を示す」→ 収録される病床数は制度上の許可病床数であり、実際に稼働している病床数とは異なる場合があります。稼働状況を正確に知りたい場合は、個別の確認が必要です。

誤解③「診療科目の届出=その分野の専門医が常駐している保証」→ 診療科目の届出と専門医の配置状況は別の情報です。専門医数は別項目として収録されているため、必要に応じて併せて確認する必要があります。

医療機関データは、公的な情報公開制度を土台にしながら、営業・マーケティングの実務で使える形に整理された施設データベースです。無料の公的システムでも個別の事実確認は可能ですが、エリアを横断した抽出・リスト化には限界があります。

まずは自社製品が刺さりやすい診療科目・病床規模を明確にした上で、小さく試して精度を確認し、必要に応じて介護施設データ・調剤薬局データとのクロス活用や、発送代行サービスへと範囲を広げていくのが現実的な進め方です。

厚生労働省「医療機能情報提供制度について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35867.html

厚生労働省「医療情報ネット 利用規約・リンク等」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/index_00004.html