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調剤薬局データとは?収録項目・無料と有料の違い・使い方を解説

この記事のペルソナ:製薬メーカーの営業企画担当
結論:調剤薬局データとは
調剤薬局データとは、全国の調剤薬局について、名称・住所・電話番号などを施設単位で一覧化し、営業やマーケティングに使える形にまとめたデータの総称です。「薬局データ」「調剤薬局データベース」といった呼び方もありますが、基本的には同じ対象を指します。
全国の薬局数は、2024年度末時点で63,203施設です(厚生労働省「衛生行政報告例」)。元になる情報は、各地方厚生局が公開する保険薬局の指定一覧や、薬局が都道府県に報告して「医療情報ネット(ナビイ)」で公開される薬局機能情報といった公的な情報です。収録項目は提供元によって異なり、当サイトの無料版は薬局名・郵便番号・住所のみです。

「薬局データがあれば、電話番号つきの訪問リストがすぐ作れる」。営業企画の現場では、こう考えたところから手戻りが始まることが少なくありません。同じ「薬局データ」と呼ばれていても、入っている項目はデータの種類によってまったく違うためです。

この記事では、担当エリアの訪問計画や優先度付けを設計する製薬メーカーの営業企画担当の視点から、調剤薬局データの種類・収録項目・無料と有料の違い・使いどころを整理します。

種類主な収録項目主な用途注意点
無料(基本版)薬局名・郵便番号・住所エリアテスト、薬局数の把握電話番号・FAXは含まれない
有料(詳細版)電話番号・FAX・営業時間・薬剤師数・調剤機能・処方箋数など11分類の項目テレアポ、詳細なターゲティング個人名は含まれない
有料(本部データ)開設者(法人)名・本部住所・代表電話法人営業、チェーン本部へのアプローチお客様保有データとの突合サービスではなく、完成済みデータベースの販売
有料(新規指定医療機関・薬局データ)登録区分(新規・承継・移転など)、指定年月日、医療機関番号、電話・FAXなど開廃業動向の把握、新規指定施設への営業新規指定は新規開業と同義ではない

有料の詳細版の収録項目は、次の11分類です。医療情報ネット(ナビイ)から収集・整形したデータで、個人名は含まれていません。

分類主な項目
識別・基本薬局名、フリガナ、電話番号、最終更新日
住所・地理郵便番号、所在地、都道府県、市区町村、緯度・経度、地方公共団体コード
連絡先FAX番号、Email、ホームページURL
開設者・管理者開設者名(法人名)
薬局属性面積、店舗販売業併設、健康サポート薬局、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局
営業情報営業日、営業時間、閉店日、開店時間外の対応、駐車場
DX・IT対応電子決済、電子処方箋、マイナ保険証、オンライン服薬指導、電子お薬手帳
調剤機能一包化、麻薬調剤、無菌製剤、居宅調剤、緊急避妊薬、配送サービス
人員体制薬剤師(常勤・非常勤)、登録販売者、管理栄養士
地域連携調剤基本料、地域支援体制加算、連携強化加算、入退院時情報共有
実績指標総取扱処方箋数、リフィル件数、患者満足度調査
当サイトの無料データ
各地方厚生局が公開する情報を収集・整形した調剤薬局データ(基本版)で、収録項目は薬局名・郵便番号・住所のみです。都道府県と市区町村(複数選択可)を指定してCSVを取得でき、データは毎月更新しています。システム上の上限があり、1回のダウンロードは最大3,000件です。ダウンロードには会社名・都道府県・メールアドレスの入力が必要で、ダウンロードリンクがメールで届きます。
医療情報ネット(ナビイ)
薬局機能情報提供制度に基づき、薬局開設者が都道府県に報告した内容が、2024年4月から全国統一のシステム「医療情報ネット(ナビイ)」で公開されています。営業時間やサービス内容などを無料で確認できますが、検索画面で条件を指定して確認する設計のため、エリア内のすべての薬局を一括でリスト化する用途には向きません。また、報告された内容をそのまま公表する仕組みのため、実際の状況と異なる場合があります。
有料データの位置づけ
調剤薬局詳細データは、医療情報ネット(ナビイ)の情報を収集・整形し、電話番号・FAX・営業時間・薬剤師数・調剤機能・DX対応・処方箋数などを横断的に扱える形にしたものです。営業リストとしてそのまま使える点が、無料データとの大きな違いです。

まずは無料データで、担当エリアの市区町村ごとの薬局数を把握します。ここでは薬局名・郵便番号・住所だけで十分です。エリア間の薬局数の差を見て、人員配分や訪問の優先エリアを検討する段階に向いています。

薬局の数が分かっても、すべてを同じ熱量で訪問することはできません。有料の詳細版にある薬剤師数(常勤・非常勤)や総取扱処方箋数、健康サポート薬局・地域連携薬局・専門医療機関連携薬局といった区分、麻薬調剤・無菌製剤・居宅調剤への対応といった調剤機能を使うと、規模や機能の観点で優先度をつけられます。まずは1つの条件で絞り、反応を見ながら条件を足していくのが現実的です。

チェーン薬局では、店舗への訪問と並行して、本部への働きかけが必要になる場面があります。調剤薬局本部データは、開設者(法人)を独自に調査し、法人名・本部住所・代表電話を付与した完成済みのデータベースです。店舗単位のデータと組み合わせることで、本部向けと店舗向けのアプローチを分けて設計できます。

3データのクロス活用
調剤薬局データは、他のデータと組み合わせると見える範囲が広がります。たとえば、診療科目で絞った医療機関(医療機関データ)と、その近隣の薬局(調剤薬局データ)を重ねれば、処方元と薬局を同じエリアでまとめて把握しやすくなります。在宅領域では、訪問診療を行う医療機関、訪問看護ステーションを含む介護施設(介護施設データ)、近隣の薬局を組み合わせることで、エリア内の連携の構造を面で捉える使い方も考えられます。

当サイトの無料データ(薬局名・郵便番号・住所)には、事業所番号は含まれていません。番号の確認が目的の場合は、元データである各地方厚生局の公開情報を参照してください。なお、有料の新規指定医療機関・薬局データには医療機関番号が収録されていますが、対象は新規に指定された施設であり、すべての薬局を網羅したものではありません。

よくある誤解と実際
誤解①「無料の薬局データで電話番号まで分かる」
→ 無料版は薬局名・郵便番号・住所のみです。電話・FAX・営業時間などは、有料の詳細版に収録されています。
誤解②「薬局数=営業先の法人数」
→ 同じ法人が複数の薬局を運営している場合があります。法人単位で見たいときは、法人名・本部住所・代表電話を収録した本部データが必要です。
誤解③「公的データだから常に最新で正確」
→ 公的データは、公開元に報告された内容や公開時点の情報に基づきます。訪問や架電の直前には、電話などで最新の状況を確認してください。
誤解④「新規指定データ=新規開業リスト」
→ 登録区分には新規・承継・移転などが含まれます。また、新規の表記は医療機関番号が新規に振られた施設を指すため、新規の区分であっても必ずしも新規開業とは限りません。
弊社では、無料の調剤薬局データ(基本版)に加え、調剤薬局詳細データ、調剤薬局本部データ、新規指定医療機関・薬局データ、医療機関データ、介護施設データを有料で提供しています。まとまった件数のご案内が必要な場合は、リスト作成から封入・発送・FAX送信・オプトアウト対応までを一括で任せられる発送代行サービスもご利用いただけます。

調剤薬局データは、公的な情報を土台に、営業の実務で使える形へ整理した施設データです。無料データは薬局名・郵便番号・住所のみで、エリアの薬局数を把握する用途に向いています。電話・FAX・営業時間・薬剤師数・調剤機能・処方箋数といった項目が必要になった段階で、有料の詳細データを検討するのが自然な流れです。

まずは無料データで担当エリアの薬局数を把握し、1つの条件で優先度をつけて小さく試し、精度を確認してから対象と条件を広げる。この二段階の進め方が、現実的です。


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厚生労働省「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況」(薬事関係:薬局数)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/24/dl/kekka4.pdf

滋賀県「薬局機能情報提供制度について」

https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kenkouiryouhukushi/yakuzi/300118.html

埼玉県「薬局機能情報提供制度について」(医療情報ネット(ナビイ)への移行)

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0707/y-kinou.html

茨城県「医療機関・薬局の公的検索システム「医療情報ネット」が公開されました」

https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/iryo/keikaku/iryoukeikaku/iryoujouhounetto.html

※本記事は各制度・システムの一般的な仕組みについて事実を説明したものであり、個別の薬局情報(掲載データ)の転載・複製は行っていません。