| この記事のペルソナ:健康食品・OTC医薬品メーカーのマーケ担当 |
| 1. 概要:全薬局に同じ販促を送る前に |
OTC医薬品や健康食品の提案は、棚や相談の流れが固まる前に接点を持てたかどうかで、その後の入りやすさが変わります。「全国の薬局に同じ資材を送る」やり方のまま動くと、健康相談に力を入れている薬局に自社の提案が届かないうちに、競合の資材が先に並ぶことも起こりえます。
とはいえ、全国の薬局数は2024年度末で63,203施設です(厚生労働省「衛生行政報告例」)。全件に送れば、資材費も送付費も追いつきません。
この記事では、調剤薬局データを使って、健康の維持・増進を支援する薬局や、売場を持つ可能性のある薬局に販促を集中させる方法を、3ステップで整理します。
| 無料データと有料データの前提 |
| 当サイトの無料データ(調剤薬局データ・基本版)の収録項目は、薬局名・郵便番号・住所のみです。この記事で使う「健康サポート薬局」「店舗販売業併設」「登録販売者」といった項目は含まれておらず、有料の調剤薬局詳細データ(医療情報ネット(ナビイ)から収集・整形)に収録されています。 |
| 2. 事例:健康サポートに積極的な薬局へ、販促を集中させる |
目的:資材送付やFAXDMの対象を、健康相談や売場への取り組みが見込める薬局に絞り、費用対効果を高める。
ターゲット例:健康サポート薬局、店舗販売業を併設する薬局、登録販売者や管理栄養士が在籍する薬局。
健康サポート薬局とは、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能に加え、住民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する機能を備えた薬局です。基準に適合して届出を行うと、その旨を表示できます。取り組みの例として、管理栄養士と連携した栄養相談会の開催などが示されています。
| ステップ1 絞り込み条件を決める |
有料の詳細データには、販促の優先度づけに使える項目が複数あります。まずは次の項目から、自社の商材に合うものを1〜2個選びます。
| 項目(分類) | 見るポイント | 注意点 |
| 健康サポート薬局(薬局属性) | 健康の保持増進を支援する機能の届出がある薬局 | 届出の有無であり、取扱商品を示すものではない |
| 店舗販売業併設(薬局属性) | 店舗販売業を併設している薬局 | 一般用医薬品などの売場がある可能性の目安 |
| 登録販売者(人員体制) | 一般用医薬品の販売に関わる人員の在籍 | 在籍の有無や人数は、報告された内容による |
| 管理栄養士(人員体制) | 栄養相談など健康支援に対応できる体制 | 健康食品の提案との相性を考える材料 |
| 面積(薬局属性) | 売場に割けるスペースの目安 | 面積に占める売場の割合までは分からない |
| 営業日・営業時間・駐車場(営業情報) | 来店客が立ち寄りやすいか | 商材によって重視する条件は異なる |
| 条件を決めるときの注意 ここに挙げた項目は、売場や健康相談への取り組みがある「可能性」を見るための目安です。実際にどの商品を扱っているかは薬局ごとに異なります。条件を欲張って重ねると、対象が少なくなりすぎるため、最初は1〜2個にとどめてください。 |
| ステップ2 CSVを取得して整形する |
- エリアを決める:無料データ(薬局名・郵便番号・住所)で、都道府県・市区町村ごとの薬局数を確認し、試験エリアを選びます。1回のダウンロードは最大3,000件です。
- 条件で抽出する:有料の詳細データから、ステップ1の条件に合う薬局を抽出します。電話番号・FAX番号は、識別・基本と連絡先の分類に収録されています。
- 優先度を3段階に分ける:たとえば、A=健康サポート薬局かつ店舗販売業併設、B=どちらか一方、C=それ以外、のように分けておくと、送付の順番と予算配分を決めやすくなります。
- 表示崩れを確認する:「髙」「﨑」などの環境依存文字は、環境によって文字化けすることがあります。宛名に使う前に、少数で表示を確認してください。
- 法人の重複を確認する:同じ法人の薬局が複数あると、同じ法人に何通も届くことがあります。法人単位で把握したい場合は、法人名・本部住所・代表電話を収録した調剤薬局本部データが使えます。
| ステップ3 施策実行のポイント |
最初から全エリアに広げず、1エリア×優先度Aの層で、数十〜数百件程度の小さな送付から始めます。媒体は、封書の資材送付とFAXDMのどちらか、または両方を小ロットで試し、問い合わせ・サンプル請求などの反応を見てから対象を広げます。
| 段階 | 対象 | 見るポイント |
| 第1段階 | 1エリア×優先度A | 反応の有無、媒体ごとの差 |
| 第2段階 | 同エリアの優先度B、または別エリアの優先度A | 条件を緩めたときの反応の変化 |
| 第3段階 | 複数エリアへ展開 | 費用対効果が合う範囲の見極め |
| 3. 効果を上げる小技 |
- 資材の内容を薬局の特徴に合わせる:健康サポート薬局には相談会で使える資材、管理栄養士が在籍する薬局には栄養面の説明資料、のように切り口を変えると、自社の提案が「その薬局向け」に見えやすくなります。
- 医療機関データと重ねる:診療科目などで相談ニーズが見込めるエリアを医療機関データで把握し、近隣の薬局と組み合わせる使い方が考えられます。
- 介護施設データで地域の特性を見る:高齢者向けのサービスが集まるエリアを介護施設データで把握し、薬局向けの訴求内容を調整する、といった組み合わせも考えられます。
- 資材の表現は事前に確認する:健康食品やOTC医薬品の広告表現は、薬機法などの規制の対象です。送付前に自社の法務・薬事担当で確認してください。
| 4. 弊社の有料サービス(無料データの次の一手) |
| 調剤薬局詳細データ(医療情報ネット(ナビイ)由来) 薬局名、電話番号、住所・地理、FAX・Email・URL、開設者名に加え、薬局属性(健康サポート薬局、店舗販売業併設、地域連携薬局など)、営業情報、DX・IT対応、調剤機能、人員体制(薬剤師、登録販売者、管理栄養士)、地域連携、実績指標まで、11分類の項目を収録しています。個人名は含まれていません。 |
| 新規指定医療機関・薬局データ(開廃業動向の把握) 新しく指定を受けた施設への早い接点づくりに使えます。登録区分には新規・承継・移転などが含まれ、新規の表記は医療機関番号が新規に振られた施設を指します。そのため、新規の区分であっても必ずしも新規開業とは限りません。 |
| 医療機関データ・介護施設データのご提供 サイト上で検索できるものではなく、弊社が販売するデータです。薬局とあわせて、エリアの医療機関や介護施設を把握したい場合にご検討ください。 |
| DM/FAXDM発送代行 リスト作成から封入・発送、FAX送信、オプトアウト対応まで一括でお任せいただけます。小ロットの試験送付にもご利用ください。 |
| 5. まとめ |
全薬局に同じ販促を送る代わりに、健康サポートに積極的な薬局や売場を持つ可能性のある薬局に絞ることで、同じ予算でも届き方が変わります。無料データでエリアの薬局数を把握し、有料の詳細データで条件を絞る流れが現実的です。
最初は1エリア×1〜2条件の小さな送付から始め、反応を見て広げてください。二段階で進めれば、無駄な費用を抑えながら精度を上げられます。
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| 参考文献・引用元 |
厚生労働省「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況」(薬事関係:薬局数)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/24/dl/kekka4.pdf
和歌山県「健康サポート薬局について」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/050400/hanbai/documents/kenkouspport.html
福島県「健康サポート薬局について」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045f/kenkosapotoyakkyoku.html
※本記事は制度の一般的な内容を説明したものであり、個別の薬局情報(掲載データ)の転載・複製は行っていません。