| 📋 この記事のペルソナ:DM・印刷会社の営業担当(顧客への提案材料として) |
1. はじめに――「介護施設向けDMを送りたいが、どこに何施設あるか把握できていますか?」
介護関連企業・医療機器メーカー・健康食品メーカーなど、介護施設を顧客に持つ企業からの「介護施設向けのDM施策を手伝ってほしい」という相談は、DM・印刷会社の営業担当にとって増加傾向にある案件です。
しかしいざ提案しようとすると、「どのエリアに何施設あるのか」「施設の種類ごとにどう違うのか」が自分でもよく把握できていない、ということはないでしょうか。
介護施設は一括りに「施設」と言っても、特別養護老人ホーム・グループホーム・通所介護・居宅介護支援事業所など、サービス種別によって規模感・意思決定者・DM効果がまったく異なります。
本記事では、介護施設データを使って全国・地域別の施設分布を読み解き、顧客(DM発注企業)への提案に活かすための視点と活用方法を解説します。
2. 全国の介護施設――サービス種別で見ると何が見えるか
介護施設データには、介護保険法上の各種サービス事業所が収録されています。サービス種別は大きく「入居系」「通所系」「訪問系」「居宅支援系」に分類でき、それぞれDM施策の設計が異なります。
| サービス種別(大分類) | 代表的な施設種別 | DM施策の特徴 |
| 入居系 | 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) グループホーム 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | 1施設あたりの定員が大きく、消耗品・食材・設備などの購買量も多い。意思決定者は施設長・管理者。法人本部への提案が並行して有効 |
| 通所系 | 通所介護(デイサービス) 通所リハビリテーション(デイケア) | 中小法人・個人事業主が多い。レクリエーション用品・介護用品・業務ツールなどのDM反応率が高い傾向。 |
| 訪問系 | 訪問介護 訪問看護ST 訪問リハビリ | 事業所規模は小さいが、医療連携・在宅介護用品の購買決定権がある。医療機関データとの組み合わせが有効 |
| 居宅支援系 | 居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所) 福祉用具貸与・販売 | ケアマネジャーへの情報提供が主目的。研修案内・新サービス紹介などのDMに適している |
| 📌 介護施設データには「法人情報(法人名・住所・電話・FAX・URL・設立年月日)」と「事業所情報(事業所名・住所・電話・FAX・開始年月日・緯度経度)」が含まれており、サービス種別での絞り込みが可能です。 |
3. 地域別分析――エリアの特性と「空白」の読み方
① 三大都市圏(東京・大阪・名古屋周辺)
施設数は全国最多ですが、競合も集中しています。特に有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の新設が活発で、開設年月日が直近の施設はまだ仕入れ先・サービス先が固まっていない可能性があります。
- 開始年月日が直近1〜2年の施設 → 新規参入施設として優先アプローチ
- 大規模法人(同一法人で複数事業所を運営)→ 本部へのアプローチで一括提案が可能
- 都市部は通所介護・居宅介護支援が密集 → DM反応率より訪問・テレアポとの組み合わせが有効
② 地方中核都市(政令市・県庁所在地)
高齢化率が都市部より高く、特養・老健などの入居系施設が充実しているエリアが多いです。1施設あたりの規模が大きく、購買決定に関わるキーパーソン(施設長・事務長)への封書DMが刺さりやすい傾向があります。
- 地方都市の特養・老健 → 医療機器・介護用品・給食関連のDM反応率が相対的に高い
- 訪問看護ST・居宅介護支援事業所が複数集まるエリア → 在宅医療圏が形成されており、関連サービスのDMに適している
③ 郡部・過疎地域
施設数は少ないものの、競合DMも少ないため「空白エリア」として機能する場合があります。訪問介護・訪問看護STが広域をカバーしている施設は、消耗品の購買量が多く、定期的な発注先を探している可能性があります。
- 施設数が少ないエリアへのDMは到達率が高く、競合との差別化がしやすい
- 緯度経度データを活用した地図プロットで、広域をカバーする施設の「半径」を可視化すると提案材料になる
④ 注目エリア:高齢化率上位県の介護施設密度
高齢化率が高い都道府県(秋田・高知・島根・山形・和歌山など)では、介護施設の需要は高い一方で、運営法人の体力は必ずしも大きくない場合があります。コストパフォーマンスを訴求したDMが響きやすいエリアです。
- 高齢化率上位県 → 介護施設の「質より価格・使いやすさ」を訴求するDMが有効
- 一方で大都市圏の施設は「質・ブランド・実績」を重視する傾向が強く、DMのメッセージを変える必要がある
4. 業界トレンド――介護施設の「大法人化」と「小規模分散」の二極化
近年の介護施設業界で顕著なのが、大規模法人による多店舗展開と、小規模・個人事業主型施設の共存という二極化の進行です。
| トレンド | 内容 | DM営業担当への示唆 |
| 大法人による多店舗展開 | 大手介護グループが全国に数百〜数千の事業所を展開。本部での一括調達が増加している | 介護施設データの法人情報を使い、同一法人が運営する事業所数を把握。本部へのアプローチで複数施設への一括提案が可能 |
| 小規模・地域密着型の新設 | 地域密着型サービス(定員18人以下の小規模多機能など)が全国的に増加 | 小規模施設は意思決定が速い。開始年月日が直近の施設を優先して個別DMを送ると反応が取りやすい |
| グループホームの増加 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が都市部・地方問わず増加 | グループホームはユニット単位(9名以下)で少量多品種の購買が多い。サンプル同封DMが効果的なことがある |
| 居宅介護支援の独立化 | 特定事業所への集中を避けるため、独立した居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)が増加 | 独立ケアマネ事務所は意思決定権が小さく、情報提供・関係構築が目的のDMに適している |
5. DM営業戦略への活用方法――3ステップで優先エリアと施設種別を絞り込む
1. 介護施設データでエリア×施設種別のマトリクスを作る
介護施設データをExcelに読み込み、都道府県・市区町村別に施設種別の件数を集計します。「このエリアには通所介護が多い」「このエリアは訪問看護STが密集している」という実態が見えると、顧客(DM発注企業)への提案内容が変わります。
2. 開始年月日で「新規施設」を優先リストに分離する
介護施設データには事業所の開始年月日が含まれています。直近1〜2年以内に開始した施設を抽出し、「新規参入施設専用リスト」として別枠で管理します。新規施設は仕入れ先・サービス先の選定中であることが多く、DM反応率が高い傾向があります。
3. 3データのクロスで「在宅医療圏」が形成されているエリアを特定する
介護施設データ(訪問看護ST・居宅介護支援)×医療機関データ(訪問診療クリニック)×調剤薬局データ(在宅対応薬局)の3データを組み合わせることで、在宅医療・介護の連携が密なエリアを特定できます。こうしたエリアは、在宅関連サービス・医療機器・衛生用品などのDM需要が高い傾向があります。
6. 弊社の有料サービス――DM営業担当が顧客提案に使えるデータ
① 介護施設データ
法人情報(法人名・住所・電話・FAX・URL・設立年月日)+事業所情報(事業所名・住所・電話・FAX・開始年月日・緯度経度)+介護サービス種別・定員・居室状況を収録。サービス種別での絞り込みが可能で、エリア×施設種別のマトリクス作成に活用できます。
② 医療機関データ(クロス分析用)
訪問診療の有無・診療科目・病床数・電話番号・FAX番号・緯度経度などを収録。介護施設データとクロスして「在宅医療圏」の可視化に活用できます。
③ 調剤薬局詳細データ(クロス分析用)
FAX番号・認定薬剤師数・延べ患者数・営業時間などを収録。介護施設・医療機関と合わせた3データクロスで、在宅医療に関連した施設群を面で把握できます。
④ DM/FAXDM発送代行
リスト整備・封入・発送・FAX送信・オプトアウト対応まで一括代行します。顧客企業の手間をゼロにする「ワンストップ提案」が可能になります。
7. まとめ――「介護施設はひとくくりにしない」がDM提案の起点
介護施設向けのDM提案で差をつけるには、「施設種別」「エリア特性」「施設の規模・法人の大小」「開設時期」の4軸で分けて考えることが出発点になります。
| 【DM営業担当が顧客提案で使えるチェックポイント】 ✅ どの施設種別(入居・通所・訪問・居宅支援)をターゲットにするか ✅ 大法人(本部一括提案)か 小規模施設(個別DM)か ✅ 開始年月日で「新規施設」を優先リストに分離しているか ✅ 医療機関・薬局とのクロスで「在宅医療圏」を把握しているか |
まず介護施設データで「顧客が狙うエリアに何施設あるか・どの種別が多いか」を確認するところから始めてみてください。その数字が顧客への提案根拠になります。
介護施設データのサンプルやお見積りは、お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
参考文献・引用元
- 厚生労働省「介護保険事業状況報告」(各年度版)https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(各年度)https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「医療情報ネット(ナヴィ)」https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/