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介護施設の利用者獲得で失敗しないために——新規エリアで紹介が来ない3つの原因とデータ活用による回避策



訪問介護・通所介護・グループホームなどの新拠点を開設し、いざ稼働させてみたものの、なかなか利用者が集まらない。ケアマネジャーへの挨拶回りも一通り終えた。近隣クリニックにもパンフレットを置いてもらった。それでも紹介の電話が鳴らない——。

こうした「開設直後の集客不振」は、決して珍しいケースではありません。実際の失敗の多くは、「アプローチの量が足りなかった」のではなく、「アプローチする先の選び方に問題があった」ことに起因しています。

あるグループホームの事業開発担当者の話: 「開設前に周辺の居宅介護支援事業所20件を全部回りました。でも3ヶ月経っても紹介ゼロ。 後から分かったのですが、その20件のうち半分以上が、すでに系列の施設に利用者を優先的に送っているケアマネ事務所だったんです。 最初から競合と無関係の独立系ケアマネを狙うべきでした。」

本記事では、介護サービス法人の新規拠点立ち上げにおいて紹介が来ない理由を3つの失敗パターンに整理し、データを使った具体的な回避策を解説します。



失敗パターン①:「とにかく全部回る」が裏目に出た
新規開設直後、担当者が近隣の居宅介護支援事業所を数十件回ったものの、ほとんど反応がなかった。原因を分析すると、回った事務所の多くが大手法人の系列事務所や、特定施設と長年の付き合いがある事務所だったことが判明。 「挨拶回りの件数」を目標にしてしまったため、「紹介につながりやすいケアマネ事務所かどうか」という判断が抜けていた。担当者の移動コストと時間が大量に無駄になった。
📉 機会損失の規模感:系列施設を持つ法人に属するケアマネ事務所は、構造的に自社への紹介が難しい。仮に20件中10件がこのタイプだった場合、担当者が使った時間・交通費の半分が本質的に無駄になっていたことになる。
回避策:介護施設データの「法人情報(法人名・設立年月日)」を活用して、まず訪問先を絞り込む。系列施設を持たない独立系ケアマネ事務所や、開設から日が浅く既存のネットワークが薄い事業所を優先リストとして整理してから回ると、費用対効果が大きく変わる。

介護施設データには事業所の開始年月日・法人名・住所・電話番号が含まれています。同一法人が運営する施設数を確認することで、「大手グループ系列かどうか」を事前に判断できます。



失敗パターン②:ケアマネだけ回って、医師へのアプローチを怠った
ケアマネジャーへの挨拶回りに集中するあまり、在宅療養支援診療所(在支診)や訪問診療クリニックへの働きかけが後回しになってしまった。ケアマネは「利用者がいて初めてプランを立てる立場」であり、利用者の在宅継続を支える医師からの推薦が、ケアマネの施設選定に影響を与えることも少なくない。 同一エリアで自社より遅く開設した競合施設が、地元の在宅クリニックと連携関係を構築し、医師経由の紹介が安定的に来るようになってしまった。
📉 機会損失の規模感:在宅クリニック1件との連携は、そこに関わるケアマネ・患者への波及効果が大きい。1件の医師ルートを逃すたびに、継続的な紹介機会を失い続ける構造になる。
回避策:医療機関データを活用して、開設エリア内の訪問診療実施クリニック・在宅療養支援診療所を抽出する。ケアマネへの挨拶回りと並行して、こうした在宅クリニックへのアプローチも初期から組み込む。DMまたは訪問でまず顔を覚えてもらい、退院時カンファや担当者会議への参加につなげることが目標。

医療機関データには訪問診療の有無・診療科目・病床数・電話番号・FAX番号が含まれています。「訪問診療実施」で絞り込むことで、在宅医療に積極的なクリニックを優先してリストアップできます。



失敗パターン③:開設後に挨拶回りをしても「初めまして」の印象が薄かった
新規拠点の開設日前後に集中して挨拶回りをしたが、ケアマネ・クリニックのいずれからも「存在は知っているが、詳しくは知らない」という反応が多く、関係構築が遅れた。開設前から認知があった競合施設と比べて、信頼形成のスタートラインが後ろになってしまった。 新規拠点が認知されていない状態では、ケアマネは慣れた既存施設に利用者を送る。「存在を知られていないこと」自体が、開設後の立ち上がりコストの最大の原因の一つになっている。
📉 機会損失の規模感:開設後6ヶ月の利用率が低迷した場合、固定費(人件費・家賃)は発生し続ける。想定稼働率との乖離が大きいほど、法人全体への財務的影響は深刻になる。
回避策:開設1〜2ヶ月前にエリア内の居宅介護支援事業所・訪問診療クリニックにDMを送付し、「開設予告」として存在を認知させておく。DMで顔を覚えてもらった状態で開設後の訪問をすると、初回面談の質が変わる。介護施設データ・医療機関データを使ってDMリストを作成し、発送代行を利用すれば担当者の工数をかけずに実施できる。


紹介が安定的に来るようになっている拠点の事業開発担当には、共通した行動パターンがあります。

  1. 開設前にデータで「紹介元候補リスト」を作っておく

介護施設データ(居宅介護支援事業所・訪問看護ST)と医療機関データ(在宅クリニック)を使い、開設予定エリアの紹介元候補を事前に洗い出す。「何件あるか・どこにあるか・法人の規模は?」を数字で把握してから挨拶回りの計画を立てる。

  • 開設1〜2ヶ月前にDMで「開設予告」を送る

データから作成したリストをもとに、居宅介護支援事業所・在宅クリニックに開設予告のDMを送付する。封書DMまたはFAXDMを選び、発送代行サービスを活用することで担当者の工数をゼロにできる。DM受取後に訪問するだけで「あ~、あのDMの」という会話が生まれ、初回面談の壁が下がる。

  • 開設後も新規指定データで「動きのある施設」を追いかける

新規に指定を受けたケアマネ事務所や訪問看護STは、まだ連携先が固まっていない可能性が高い。新規指定医療機関・薬局データ(毎月更新)を使って同エリアの新規事業所を把握し、独立系の新規ケアマネ事務所を早期にアプローチ先に加える。

⚠️ 注意:新規指定データの「新規」区分は医療機関番号が新規に付与された施設を指します。新規開業のみではなく、承継・移転等も含まれます。


課題活用できるデータ・サービス具体的な使い方
紹介元ケアマネのリストを 事前に作りたい介護施設データ(有料)居宅介護支援事業所をサービス種別で抽出。法人名で系列チェックを行い、独立系を優先リストとして整理
在宅クリニックの アプローチ先を特定したい医療機関データ(有料)訪問診療実施・在宅療養支援診療所で絞り込み。FAX番号を使ったFAXDMまたは電話番号でのアポ取りに活用
開設前にDMを送って 認知を取りたいDM/FAXDM発送代行作成したリストをもとに封書DM・FAXDMを一括送付。リスト整備から発送・オプトアウトまで一括対応
新規ケアマネ事務所を いち早く把握したい新規指定医療機関・薬局データ(有料・毎月更新)毎月の新規指定データで同エリアの新規事業所を把握。独立系ケアマネ事務所を早期アプローチ先に追加


【3つの失敗と回避策 まとめ】
 
❌ 失敗①「件数でこなす挨拶回り」
→ ✅ 介護施設データで法人規模・系列チェックをしてから訪問先を絞り込む  

❌ 失敗②「ケアマネだけ回って医師へのアプローチを後回しにした」
→ ✅ 医療機関データで在宅クリニックを抽出し、ケアマネと並行してアプローチする  

❌ 失敗③「開設後から挨拶回りを始めて初動が遅れた」
→ ✅ 開設1〜2ヶ月前にデータを使ったDMで「開設予告」を届け、認知を先行させる

紹介が来ない理由のほとんどは「アプローチ量の問題」ではなく「アプローチ先の選択」と「タイミング」の問題です。データで紹介元候補を事前に絞り込んでおくだけで、同じ工数で得られる成果が大きく変わります。

まず介護施設データでエリアの事業所数を確認するところから始めてみてください。詳細データのサンプルはお問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。


  • 厚生労働省「介護保険事業状況報告」(各年度版)https://www.mhlw.go.jp/